スムーズな排便を助ける前傾姿勢のコツ
乳酸菌サプリやオリゴ糖をとり、食物繊維も多めに摂って、さらに肉類は控えめにすることで、多くの場合は腸内環境は良くなります。もちろん時間はかかりますが、しだいに改善されていくはずです。
腸内環境を整える目的は人それぞれ。肌荒れ解消、アレルギー改善、健康促進などいろいろとあると思います。しかし、そのなかで最も多いのは、やはり便秘解消なのではないでしょうか。
便秘解消や硬い便をうまく排出できることを目的とする場合、上記の方法は有効です。しかし、腸内フローラを整えただけではなかなか事態が好転しないこともあります。
今回は、そんなときの対処法として、トイレのなかでできる「前傾姿勢」について説明します。
トイレでは前傾姿勢をとる
多くの家やマンション、外出先のビルなどでは洋式トイレがあるのが通常だと思いますので、洋式トイレであることを前提に説明します。
前傾姿勢とは、その名の通り、上体を前に倒す姿勢のことです。トイレの便座にすわったら、この姿勢をとることが大事です。
なぜそうするのか。それは人体の構造に関係しています。わたしたちが便意を感じたとき、便はすでに直腸まで到達しています。直腸というのは、大腸のさいごの部分です。
上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸ときて、その次にくるのが直腸です。直腸のあとには、ウンチを出す器官である肛門がひかえています。
この直腸から肛門にかけては、クイッと曲がった形をしています。そうあることで、立った状態の時など、意に沿わないときに便が勝手に出てしまうことを防いでいるというわけです。
しかしこの便利な角度が、排泄したい場合にはジャマになってしまいます。便意を感じているのに、ウンチがそこまできているのにうまく出せない、ということの原因になってしまうのです。
ではどうすれば良いかというと、先ほど説明した前傾姿勢をとることで、その問題を解決できます。
前傾になると、直腸から肛門にかけての角度がひらき、まっすぐとは言わないまでも便が通りやすいくらいの角度になります。そうなることで、排便がスムーズにおこなえるようになるのです。
このとき、できるだけヒザは高い位置にあったほうがよいです。そのほうが角度が開きやすくなるからです。かかとを上げたり、足の下にものを置いてそこに足を乗せたりして、ヒザの位置が高くなるようにしましょう。
リラックスすることも大事
日本独自のガラ携、つまり携帯電話からスマートフォンへと移行したのをきっかけに、トイレでスマホをいじる人が増えたように思われます。
実際に統計をとったわけではないですが、わたしの周りの家族や友人、知人を見ても、トイレまでスマホを手放さないで持っていくという人は非常に多いです。
なかには家族にスマホを見られたくないという理由で持っていく人もいましたが、多くは排便をするときに手持無沙汰になるので、その対策として持っていくという人たちでした。
わたし自身、そうです。しかし忘れてはいけないのは、排便をスムーズにするには、リラックスした状態である必要があるということです。
出さなければいけないときになかなか出ない、ということは誰しも経験があるのではないでしょうか。それは、緊張してうまく排出できなくなっているのです。
緊張すると自律神経のひとつ交感神経が活発になり、そうすると腸がうまく動いてくれません。反対に、リラックスすると副交感神経が優位になり、腸がよく動くようになります。
スマホの強い光、Webサイトの文章を読むことなどは、自律神経を活発にします。同じスマホを持つにしても、トイレの中では犬や猫の画像やムービーなど、なるべく気持ちがやわらぐようなものを見るようにすることをオススメします。
ちなみに、わたしは将棋アプリを出して、将棋を指します。そうすると、スルッと出てくれるんですよね。友達からは「オヤジくさい」と言われますが、自分にとってはスマホでほかのことをするよりも効果的です。
下剤や浣腸を使うのも1つの手段
もし前傾姿勢をとってもうまくウンチが出せない場合、最後の手段として便秘薬を利用するという手があります。
下剤をつかってもいいですし、より即効性のある浣腸を使ってもよいと思います。これらは、ガチガチに固まってしまった硬い便を出すのには非常に有効です。
しかし、浣腸は妊婦さんは使ってはいけませんし、下剤についても、妊婦が服用してよいものと悪いものがありますので、妊娠中の場合はかならず医師に相談したうえて使用しましょう。
もっとも、妊娠中のときは医師から処方される薬があると思いますので、そういった心配は不要かもしれませんね。
下剤は、便秘解消の最後の手段です。いまは手軽に購入できるため、ふだんから常用しているという人も多いかもしれませんが、便秘の悪化や慢性化につながる可能性があるので注意が必要です。
まずおこなうべきは生活習慣の改善です。日々の食生活や運動習慣で腸内環境を良くして、便を出すためのいろいろな方法をとって、それでもうまくいかないときに便秘薬を一時的に使う。それがベストです。